1 / 3
『石と桃』(英題:counterpoint)は、大きさや距離、色、時間が現実とは違って感じられる「不思議の国のアリス症候群」をめぐる、木村和平の写真集。最初に構想してから10年を経てシリーズは一冊になり、2025年に赤々舎から刊行された。
この本が生まれた背景
木村がこの症候群の名前を知ったのは10年前、写真を撮りはじめたころのこと。いつかこれを作品にしたいと考えた。展示や自費出版を重ねながら、その感覚を写真にとどめる方法を探りつづけてきた。タイトルは、木村が日常的に、そして不意に見るイメージのひとつを言葉にしたもの。硬くてモノトーンなものと、やわらかく色鮮やかなものが混ざりあう。
このシリーズは、もともと本にするつもりで始めたものではなかった。3年間で5回の展示を重ね、そのたびに新しい要素を取りこみながら、かたちになっていった。
収録内容
- 380×240mmの大判。余白そのものが量感として感じられる
- 作品の一部でもある、蛍光ピンクの糸かがり製本
- 知覚のずれを、横へ、奥へと呼び覚ましつづける構成
木村和平について
1993年、福島県いわき市生まれ。東京在住。第19回写真「1_WALL」で審査員奨励賞、IMA next #6でグランプリを受賞。写真集に『IRON RIBBON』『あたらしい窓』(赤々舎)など。