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『残された風景』は、頭山ゆう紀が亡き祖母を自宅で介護していた日々のなかで撮った写真集。ふたつのまなざしが織りこまれている。買い物などで短く外へ出たときに撮ったカラーの風景と、祖母の目を想像しながら見つめた庭のモノクロ写真。祖母自身の姿は一度も写らない。2024年、赤々舎刊。
この本が生まれた背景
撮影はコロナ禍のさなか、在宅介護の閉ざされた暮らしのなかで行われた。買い物に出る数分間はなくてはならない息継ぎの時間となり、頭山はその道すがらに出会った光と色を撮った。そのあいまに、祖母の部屋の窓から庭を撮る。もう家の外に出られず、いろいろなものが見えると話していた祖母の眺めを想像しながら。
介護する人と、介護される人の時間のずれが、ページの上にはっきりとあらわれる。残された写真は不在を語り、同時に、頭山が祖母と言葉を交わしつづけるための手立てにもなった。
収録内容
- カラーの風景とモノクロの庭の写真が、全編を通して交差する
- カラーとモノクロの像が透けあう表紙
頭山ゆう紀について
1983年、千葉生まれ。東京ビジュアルアーツ卒業。自宅の暗室で作品を自らプリントし、生と死、時間や気配といった目に見えないものを撮りつづける。第一写真集『境界線13』(赤々舎、2008年)では友人の喪失を見つめた。