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『眠る木』は、沖縄に生まれ、いまふたたび沖縄で暮らし制作する上原沙也加の第一写真集。人の姿がほとんど写らない島の日常の風景を集めながら、どの場所にも、そこを通り過ぎていった暮らしと歴史の痕跡がにじむ。2022年、赤々舎刊。
この本が生まれた背景
上原は自宅近くの街を歩きながら、ときにはバスに乗って別の町で降りて、写真を撮る。マネキンの指先、食堂の座席、ジュークボックスをよぎる飛行機の影、布張りの聖書、マクドナルドの看板。ありふれた風景が、言葉にならない声で語りかけてくる。そのまなざしは自分の日常から地続きに、それぞれの場所が生きてきた時間を想像し、沈黙のなかに抱えられた痛みへと向かっていく。
タイトルは、本書に数多く現れる木のシルエット、とりわけギンネムを思わせる。又吉栄喜が書いたように、戦後、米軍は被害を覆い隠すため沖縄じゅうにその種をまき、いまではいたるところに茂っている。表紙の柵のような模様は、このギンネムからとられた。
収録内容
- 日常のすぐそばで撮られた沖縄の風景
- ギンネムからとった表紙の模様と、マネキンの指先の写真
- 2026年1月に重版
上原沙也加について
1993年、沖縄生まれ。2016年、東京造形大学卒業。沖縄の風景に浮かびあがる記憶と傷あとを見つめたシリーズ「The Others」で、2020年に東川賞新人作家賞を受賞。